巾着田の曼珠沙華

 日曜日、曼珠沙華を見に、高麗の巾着田に行ってきた。飯能ちかくにこんな公園があったとは知らなかった。
 朝9時くらいについたものの、公園は人……というかカメラー(カメラを構える人の意)でごった返していた。まるで一眼レフの見本市だ。たしかに彼岸花の群生というのは写真に収めたくなるほどの圧倒的な存在感を持っている。
 株数は数十万に及ぶという彼岸花の群生は、まさに茂みを赤く覆いつくしている。川岸に流れ着いた球根から群生ができるとしたのなら、巾着のように蛇行した地形は、球根の堆積地として機能したということだろうか。とにかく、赤い。赤一面だ。
 彼岸花の赤さは、例えるならプラスチックのような赤さである。めしべが光を反射する、つややかな赤さだ。主張が激しい。それが大挙をして押し寄せてくるのだから、僕は気疲れしてしまった。そういうときは、脇を走る高麗川のせせらぎを眺めてボーッとするのがいい。
 友人と合流してから公園をもう一度軽くめぐり。昼飯は蕎麦屋「樹庵」に行き、とろろ月見そばと山ふぐ(刺身こんにゃく)を食べた。とろろのきめ細かさと、そばの主張しない味がかみ合って、なかなか美味しい。混んでなければまた行きたい。
 聖天院、高麗神社と観光して、道に迷いつつJR高麗川駅に到着。聖天院は仏閣テイストと韓国テイストがアダプターなく接木された、かなりの異空間。
 帰りに川越に寄っていく。
 「まめ屋」の試食がどれもおいしいせいで、4パックも買い込んでしまった。豆はついつい食べ過ぎることがあるから、少し危険だ。あとは菓子横丁などを冷やかした。甘味や喫茶も充実しており、人のいない寺や神社もあたりにあるらしく、なかなかフトコロの深そうな観光都市であった。夕焼けのおかげか、雰囲気がなかなかよい。
 日焼けのせいで翌日は寝て過ごした。太陽怖い。