あまりにも酷い昼飯に出会った。

 神谷町の「串特急」、日替わり定食650円(コロッケとロールキャベツ)。
 まず、コロッケといいながら、実体はハムカツ。
 駄菓子屋の串カツみたいな味。酸化しきったギトギトの油でぶくぶくと太った衣の中に、味の素漬けになったようなハムが入っている。そして冷めきっている。マズイ。実にマズイ。駄菓子屋でホコリをかぶった容器に密閉されていればいいのに、なぜこんなところにさまよいでてきてしまったのか。
 そしてロールキャベツ。
 ロールキャベツといえば、スープの中に沈んでいて、そのままかぶりつくと「ジュワッ」と汁が口に広がって、その熱さにまいっちゃうとか、まあそんな「中から熱汁」のイメージがある。が、でてきた実体は冷え切った、「茹でキャベツの巻物」。熱汁どころじゃない。汁気ない。肉汁とか出てこない。ボソボソとしたタンパク質っぽい何かが申し訳程度に、巻物の芯になっているだけ。
 変な匂いのするおしんこ
 バランス感覚を欠いた盛り付け。
 席案内フローの混乱。
 「寅福」「みなみ」という昼飯のスターどころ(高いだけのメシを出してくれる)を2日連続で楽しんでしまった直後にこれは、酷い。あまりに酷い。こんなに酷い昼飯はほんとうに久々だ。安ければ許されるにも限度というものがある。昼飯の尊厳というものがある。あのハムカツらしきものにGOサインを出したひとは、自分で口に入れてみたことがあるのだろうか? 毒見役に犬でも使ってるんじゃないだろうか。