ものごとに意味を見出すことに意味はあるのだろうか?

 生きるとはどういうことなのか? わたしは何故存在しているのか? 宇宙の果てはあるのか? 無限とは? 時間とは?
 これらの答えを得ることは、おそらく死ぬまでない。神の存在を信じることができれば解消するのかもしれないけれど、残念ながら今のところ僕にはそういった宗教体験が降りてこない。
 でも、折にふれて考える。この考える僕という、意識なのか、なんなのか、よくわからない、「僕」というやつは一体なんなのかと考える。ニューロンの電気信号だというのならば、電気信号はすべてこういった意識を持っているのだろうか? 電子レンジも死を受け止める努力をしているのか。それとも、「僕」というものも、しょせんは電子レンジが弁当を温めるまでの2分間に発生した夢でしかないのか。ボタンが押されるたびに、誰かの意識が浮き上がり、消えていくのか。
 忙しい毎日のなかで、数ヶ月に一回くらいはこういう物思いをすることもある。みんなそうなんじゃないかな。……と後輩とメシを食いながら話題を振ってみた。
「思春期に卒業しました」
 ケッ。