[徒然]人が人を評価するなど、おこがましいとは……思ってはいけない。

 仕事を家に持ち帰って、深夜二時に東方アレンジを聴きながら、やっつけている。何の仕事かというと、評価だ。
 うちの会社では、社員同士が評価をしあう人事制度になっている。Aさんはこの尺度で見たら何点なのか、じゃあこの尺度では何点なのか、BさんはCさんはDさんは……といった採点を、結構な人数でやりあう。この人事制度は毎年揺れ動くのだけど、原則として「同じ階層の社員が」「お互いに」「用意された尺度に基づいて」「点数で」評価するというスタイルは変わらない。
 この評価制度にとくに不満はない。ボスによる一発勝負と比べて、平時の自由度が違う。それに、まあ、それなりに、まあ、それなりに正確な評価になるんじゃないかという期待が持てる。
 歯切れが悪くなってしまうのは理由がある。正確な評価なんかできるかっつーの、というのがそれだ。僕らは僕らの見たもの、見て・解釈したもの、見て・解釈して・記憶したものしか評価できない。まあ、身近なチームなら普段の言動、成果を見ているから思考の軌跡のようなものを追うのも(それが合っているかはともかくとして)可能である。ただ、組織上の近くのチームというのは結構広い。正直言ってよく知らない人を採点しなければならないこともある。
 でも、やるしかない。
 人が人に点をつけるなんて滑稽なのだけど、そうしなければ動かないもの、それをしないよりはしたほうがマシってことも、世の中にはあるのだ。