辞めた上司と酒を飲む

 前もって知らされていた衝撃の組織改変の正式発表が延期になり、宙ぶらりんになって呆としていた僕に、後輩が「Kさん(辞めた上司)から飲みメールが来てるんスけど、行きません?」と誘いがかかる。
 あー、この後輩とも最初は全く馴染めなかったけど、誘われるほどには仲良くなれたのか、良かったなあ、俺……と思いつつ、どうせやることもないしで同席させてもらうことに。Kさん+後輩+同期二名+僕というメンツ。
 組織改変でアレがこーなったとか、ダブルがトリプルになったとか、パーティでドン引きとか、近況を報告しあって、なんだかずっと爆笑していた。僕はといえば笑いすぎて胸が痛くなった(ビリーのせいでもある)。しゃっくりにも三回なった。思い返してみるとたいしたことを話していないのに、なんであんなに笑ったのかというと、後輩のしゃべりが上手いからなのだ。社内事情もバッチリ把握しているようだ。
 この後輩はすげえなあと何だか落ち込む(俺こんなでいいのか?)のとともに、Kさんが元気にやっているようで少し安心した。……少し安心したというのが、辞めた上司への暖かい気持ちなのか、辞めるという選択肢もアリだなという打算なのか、たぶん両方まじってるんだろーけど。
 うーん、折角大笑いしたのに、振り返ると自虐になるのは何故なんだ。