はだしで歩こう

 帰り道で散歩に飽きてきたため、はだしで歩いてみることにした。
 日差しの下のアスファルトは熱いということはわかっていたので、歩道と切り分ける白ラインの上などを主に歩く。日陰のありがたさがよくわかる。
 裸足で歩くとよくわかるのだけど、アスファルトはとても硬い。歩くごとに衝撃が膝まで伝わるし、自然と足幅も狭まる。スニーカーがいかに便利かということを再認識すると同時に、僕らは既に、そういった道具を通してしか地面と触れていないのだなという、残念さみたいなものを覚える。石畳とアスファルトとコンクリートリノリウムと砂利と砂地と土と草と、それらを同じもの、地面として抽象化して捉えているのは本当は奇妙なことなのかもしれない。
 なんにしても、裸足で散歩をするというのは結構気恥ずかしかった。あと、足も汚れた。