「七人の侍」

 野武士に狙われた村の百姓たちが侍を雇って野武士を撃退する話。
 僕が「七人の侍」を初めて意識したのは「逆境ナイン」だった。この漫画はトンデモ熱血野球漫画なのだけれども、その中の仲間集めのシーンで「とりあえず硬球を投げつけて腕を見る」というものがあった。「いや、七人の侍でもやっていたし」「見たことないですよ!」「なにぃ?!」そして挙げられる映画のリスト。七人の侍ベン・ハー、ロッキー1・2、などなど・・・「最低これくらい見てもらわなければ、魂が通じ合えんっ!」
 別に魂が通じ合えなくても困らないのだが、この「試し斬り」という手法はそのあと、様々なところで見かけた。時には七人の侍とともに、ときには特に表記されずに。どうも七人の侍は影響力のある映画であるようなのだ。それでいつかは観なきゃいけないなぁと思っていたのだ。
 しかし七人の侍のビデオをレンタルで借りてみたら、テープは擦り切れているわ、汚れがひどくてビデオデッキの読み取り部分が使用不能になるわ、とんでもないことになったのだ。レンタルビデオ屋で古い作品を借りてはならない!という教訓になった。
 そういうわけで七人の侍のことを忘れていた最近だったのだけれども、つい先日、レンタル全品100円というキャンペーンを近所のビデオ屋がやっていた。それで足を運んでみたら、七人の侍がDVD化されていたのである。DVDなら傷さえついてなければ機器も痛めまい。技術の進歩に感涙しつつ、僕は意気揚々と借りて帰ったのであった。
 経緯だけが長いな。
 七人の侍とかいうタイトルをつけといて、実際には…、という実に容赦ない映画でした。容赦ないなあ、ほんと。容赦ないよ。