アメリカ人とは仲良くなれない

 ハリポタ4巻も順調に400頁目をめくった。のろのろとではあるが、一応読み進んではいる。しかし数えてもう一週間は一日二時間以上をハリポタに充てていることになる。いい加減飽きてきた。この飽きはいわゆる「とりためたアニメを見るかどうか迷って結局見ずに上に重ねてしまう」症候群の第一歩であり、残念ながらハリポタにこれを打ち破るほどの面白さを僕は見出せない!
 そういうわけでわき道に逃げる僕なのだが、どうせ脇にそれるでもせめて英語を読みたい。以前、ネットで「たんぽぽ娘」を読んだが、同作者の別の短編が同じサイトにあったりする。じゃあそれを読もうか、と思って調べてみると語数が2万語を超えていて、気分転換にさらりと読み流すのには若干長すぎる。なんか絵本とかそういうノーテンキな楽勝英語がいいなーとか思ったのだが、そこでピピンとひらめいた。
 そういえばアメリカの頃に親が買った絵本とかがあったんじゃなかろうか。そう思って姉の部屋の本棚*1を漁ってみると、あにはからんや(はかったなっ!はかったな兄!)、それらしいものを発見。絵本は無いものの、「Poems to Read to the Very Young」とか「MY FIRST GOLDEN DICTIONARY」とかを発見。どれも絵がページの半分を占める、まさに生まれたてホヤホヤの赤ん坊のための本である。


 本題に入る。このGOLDEN DICTIONARYとやらが問題なのだ。この絵本は243の子供に親しみやすい単語(bird、kitten)がカラフルな絵と2行の軽い説明とともに並べてあり、僕は「color」の項にとてつもない疑問を抱かされてしまった。以下に説明文を引用する。ここまでは問題ない。なお、あらかじめ断っておくが、この本は真っ白のままであり別に色あせているわけでもないし、フルカラーなので色の選択肢が少ないわけでもない。

colors
Red,orange,yellow,green,blue,purple,brown,and black are all colors.

 whiteはcolorじゃねーのかよ、とかそういう衝撃もあるが、最もヤバイのはその文字通りにカラフルな絵であった。それぞれの色が上の説明の横に印刷されているのだが……まぁ、論より証拠、タグで再現してみるとこうだ。


red blue purple
 違うだろ!全然違うだろ!日本だったらこうだろうがよ!
red blue purple
 ええい、並べてやるっ!
red blue purple
red blue purple



 もう一度断っておくが、色あせているわけでもなく、色を妥協したわけでもない。著者はこれこそのがredでありblueでありpupleなのだと固く信じているのだ!これはどうしたことか。
 「青」はやはり日本人にとって青と言えばこれなのだ!という色だ。そしてそれは海の色なのだと思う。そしてアメリカ人にとってblueとは空の色なのだ。まぁ、ここらへんは想像できる。こうやって考えていくと民俗学チックで面白い。だが……問題は赤と紫だ。
 「赤」は赤系の色の最も標準的な色であると思う。日の丸の赤に近く、そして黒さを秘めた血の色だ。おそらく「red」もred系の最も標準的な色なのであろう。それがこうも違う。ピンクだ。そして今の今までそんなことをまるで知らなかった。僕は今の今までアメリカ人が「red」と言うときには「赤」を言いたいのだとおもっいたが、実際にはなんだこれ、ピンクじゃねーのかよ!ピンクなんか色の中心においてるんじゃないよ!悪趣味だよ!なんでピンクが一番一般的なんだ!アメリカ人の血の色はピンクなのか!映画とかあーいうのは全部ウソか!日本へのマーケティング対策でCG加工してるのか!最近のCGはすごいな!
 挙句はpurpleである。なんだこりゃ、青紫じゃねーか!すみれ色か!そんなにスミレが好きか!もはや想像不可能の境地である。



 絶対外国人とは心が通じ合わない、決定。よくわかった。


 ……と、ことをしめくくると過激でいい感じなのだが、実はそれで話は終わらない。この本の筆者がアホのパープリンで、置くべき色を間違えたという可能性もあるからだ。なんせ大統領があれだけのパープリンであるアメリカだ、文筆業の人間だって信用できたものではない。
 実際、purpleについて英英を引いてみると「Any of a group of colors with a hue between that of violet and red. 」とある。violetというのはスミレ色だから、スミレ色とredの中間と言うことになる。これでは絵本の色と食い違う。
 話がなぞめいてきた。アメリカ版色見本図鑑とかがあると、全部はっきりするんだけど。もしくはネイティブを問い詰めるとか。そこの英語科さん、誰かとっつかまえて尋問してくれませんか?

*1:姉の部屋の本棚は辞典・児童書担当である。あとは姉の私物。僕の部屋のは写真アルバム・画集・旅行記・小説など