あさくさ

量があればなあ

 せっかくの休みだし、今日こそ梅むらで豆かんを食べるぞ!と浅草にでかける。
 余談だが、孤独のグルメのいいところは食べあるきでないところであり、こうやって「行くぞ!」としている時点でなんかもう論外ってかんじ。いいさ、ミーハーでいいさ。
 上野から歩いていく。立ち寄った下谷神社で、先客の参拝者がキレのある参拝をしていた。スーツ着ている30ちょっとぐらいの男性なんだけど、この人の礼がパねえ。僕らは「ぱん、ぱん」って拍するじゃん。そのひとは「パパンッ!」ってやるの。完全に型ができてて、よどみなく清冽な動作で、あっけにとられているうちに、これまた足早に遠くに消えていってしまった。なんだったんだあのひと。
 浅草着。どうせならと、老舗の蕎麦屋に入る。ミーハーでいいさ。「藪」っていう店。ここのそばつゆが濃かったから、江戸っ子はそばつゆにそばをちょびっとしか浸さないようになって、それが粋とされるようになったとか、なんとか。歴史ある店らしい。たしかにつゆは濃かった。うまいけど量が足りない! 二倍ほしい。替え玉100円とかやってください。
 浅草寺を見物して、梅むらに向かう最中に、通りすがりのじいさんに捕まる。
 昔の浅草がどうであって、今はそこがどうなっているのか、などの話から八高線の事故だとか、蕨の宿場町としての役割や、屋台の揚げまんじゅうを食べるやつは田舎者だとか、浅草で一番ホットなのはサウナだとか、若い頃はいろいろ無茶したとか、千葉から自転車で毎週浅草に通ってるだとか、年とってわきまえられないやつはダメだとか、色々と話しを聞いた。1時間以上。戦争経験者として、中国韓国には対する反感みたいなものがあった。殺生がからむのはやっぱだめだ、戦争はよくない。あと100年もしたら風化されるといいんだけど。
 SP(社交ポイント)が切れたのでお別れをして、帰る。梅むら行きそこねた。