ミスト

 突如として猛烈な霧に包まれた田舎のスーパーマーケット。霧の中にはバケモノ。生死うずまく極限状態のなかで、スーパーマーケットのなかは異様な社会が形成されていく。「こんなキチガイと一緒にいられるか! 俺たちはここを出て行く!」←死亡フラグ
 わりとテンプレートどおりの王道B級展開がラスト付近まで続くのだけど、そこがつまらないかといえばそんなことはまったくない。賛否分かれる、との前評判のラストは結構エグイのだけど、そのおかげでこの映画をいっそう印象深いものにしている。
 真摯に説明しても、信じてもらえるとは限らない。感情が優先される場合もある。
 はなから交渉不能のひともいる。そういうひとには近づかないことだ。
 理屈がいつでも通じるわけじゃあない。そんな映画だった。理性の光は、霧の中では無力なのだ。