数学ガール

 職場の同期から借りた。ありがとう!
 高校生の数学オタク男子であるところの主人公が、女子二名にラブラブされる話。という話を肴に、数学の面白さみたいなものを説く本。
 中高の数学テストで十数枚の0点をつみあげた僕が数学書を読むとは、こりゃ世界の終わりも近いね。
 この本が教えてくれる、ちょっと面白い概念というのは、「ものごとのあらわれかたというものは、色々なかたちをとるものなのだ」ということ。テイラー展開などは顕著なのだけど、小さな式が無限の数列に変化したり、見る角度によっては意外な姿を現すことがある。僕は超ひも理論の「世界は本当はホニャララ次元の紐でできているんだZE。僕らは三次元で生きてるから知覚してないけどね。つーか二次元行きたいね」っていう話を聞くたびに胸がときめくんだけど、それに通じるものがある。宗教的な憧れだろうか? 世界の“本当の姿”とか、宗教に答えを求めないと、キリがない話なんだろうけど。
 少数の公理から出発して、数式をこねくり回すテクニックをつくる。それを土台にして更に高度なテクニックをつくる。さらに発達して……という流れは、プログラミングっぽいなと思った。というか、プログラミングってほんと数学から始まったんだな、という。先祖に会えたなあ、みたいな。
 しかし青春物語の方はちょっとなんかなあ。話の運び方がステレオタイプすぎて「これは話の流れを一般化しているのです」みたいなメタオチが来るかと身構えてしまっていたのに、普通に終わって拍子抜けしてしまった。まあ数学の啓蒙書だと思えば、それは別にいいのか。