タイタンの妖女

 再び、カート・ヴォネガット・ジュニア
 地球→火星→水星→地球→タイタンと、抗えぬままに飛ばされる男の物語。男は人類のためにボロボロになるまで利用され、彼を利用していた者もまた、別の存在から利用されていただけに過ぎない。
 さて、救いはどこにあるのだろうか。
 「神様が特別に目をかけてくれている」と思えることはきっと幸せなんだろうな。
 どうでもいいけど、「タイタンの妖女」を変換すると「タイタンの幼女」になる。そっちであればもっと早くに読んでいただろうに、惜しいことだ。
 2chの漫画板の底あたりで日記スレをやっていたときに、この小説を強く薦められた。確かに薦めたくなるような、強烈なメッセージ性を持った小説だ。
 ただ、僕はスローターハウス5や猫のゆりかごの方が好きだな。あっちは後に書かれたぶん、タイタンの妖女的世界観に対してどういう態度で臨めばいいのかが確立されているから、精神的に楽だ。