ツァラトストラはかく語りき

 ゾロアスター経の始祖の名前を借りて、ニーチェが自説を語りまくる本。しかし他者批判が8割ぐらいを占めてる気がする。
 以下、俺まとめ。てきとうなので信用しないこと。
 超人思想:人間は不完全である。善悪は文化・時代によって移り変わる。絶対的な目標が必要だ。人間は絶対的な目標を目指して生きるべきだ。それは人間を超えること、超人になることだ。いつか超人が現れるよう、お前は少しでも前に進まなければならない。お前の子も、それを受け継いで進んでいかねばならない。世間のいうことなんて気にするな。俺の言うことも気にするな。だから行け。さっさと行け。なんとかなる。なんとかなるからさぁ。いいところ行けるぜ。
 永劫回帰:時間が無限で物質が有限なのだから、あらゆる全ての事象の発生パターンは網羅的に繰り返すはずだ。だから「今」の瞬間に自信を持つんだ。いつか必ずたどり着けるから。
 カントが「人は自分が自分で思う高潔さに依って生きるべきだ(俺訳)」といったときも「そりゃ無理だろ」と思ったが、超人思想もかなり無理。その生き方はきつすぎる。でもまあ、考え方のひとつとしてはありなんだろうね。カッコいいしね。
 永劫回帰は「時間が無限で物質が有限」という前提がおかしいと思う。時間が無限とか誰が決めたんだ? 物質が有限とか誰が決めたんだ? 私的な直感としては両方とも無限なんだろうと思う。無限ってなんだろうと考え始めると怖くなってくるけど。
 旧字体のやつで読んだので、まず漢字が読めないというのに困った。ニーチェも自嘲してるけど、文自体は思想書というより単なる詩だったりするので、難解ということはなかった。