東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

 数週間前だけど、いまさら読んだ。
 「ボク」が生まれてから、育ち、オカンと別れるまでの話。ときどきオトンが出てくる。
 ザ・泣かせる話。通勤中に読んでいたのだけど、泣かせる箇所では涙が流れるのを止められなかった。いや、待て俺ここは電車のなかだ……でも涙が止まらねえ! 昼出社だったからガラガラだったのは幸いだった。
 最近、ばーちゃんが逝ってしまったことも重なって、少し考えさせられるところもあった。
 しかしあれだな。これ、ほぼ実話だとしたら、オトンは微妙な気分だな。「夫婦の間でも、お互いに知らないことはあるのだなと思った」とかそーいうことを息子に小説にされたくはない。
 日記を書いていて思うけど、誰かを話の中に組み込むと、それは誰か自身でなくて、僕の一部になってしまっているんだよね。その人自身がどういった人か・本当はどう思っているかは関係なく、僕自身の射影になってしまう。だからノン・フィクションというのは僕の手には負えないのだと。