河童のクゥと夏休み

 風神録のにとりのおかげで河童熱のあがりつつある今日この頃ですが、河童映画を見てきました。川口Arioで。日曜日の昼に。ひとりで。
 席予約をしてから行ったのだが、番号忘れたり道間違えたり(またか)しているうちに、2分ほど遅刻しての入場。入場してみると、うわっ、ちびっ子ばっか。幼稚園クラスの子供づればかりだぞ。こいつらはきちんと席に座っているのに、俺ときたら遅刻かよ。
 で、肝心のお話なのですが。
 ある夏の日、河童を拾ってしまった。どうするどうする!? 君ならどうする!?
 という内容。んで児童向け。
 ここでみなさん予想がつくとおり、「妖怪側から見た人間の身勝手さ、恐ろしさ(情操教育)」が描かれ、「でも主人公に会えて、いい人間もいたってことがわかったよ(人間不信になりかける子供へのフォロー)」というシーンが入り、別れを経験して少年はひとつ大人になる、……というストーリーです。ここ、寸分たがわず超王道。1ミリも外れない。
 で、大泣き。号泣。俺号泣。
 そんなわかりやすい泣き所に俺様がクマーーー! って感じで大泣き。号泣。俺号泣。
 おっさん、おっさあああああん! 号泣。俺あふれる涙。
 とーちゃん、とーーーーちゃああああああああん!号泣。俺ぬぐう涙。
 こーいち、こーーーいちぃぃいいいいいいいい!号泣。俺ただ耐える涙。
 後半は油断するとすぐ泣かされる。6回くらい泣いた気がする。
 人間の怖さというか、他者への無関心・自分勝手という面を「カメラ」という道具で捉えるのがなかなか面白かった。カメラってのは記録・蓄積というより娯楽の手段なんだな。そういやカメラ記念館でも登場初期から娯楽利用の面が強かったような気がする。
 映画は、つらい現実と向き合って、それでも生きていくクゥの姿を映して終わる。さわやかな終わり方である。涙をぬぐう俺。30分くらい前から「まだ終わらないのー?」「もう終わるー?」とうるさい子供方。おまえら前半あれだけ笑ってたじゃねえか。もうすこし我慢しなさい。
 そして照明がついた館内を見渡してみると、子供連れが9割5分。え、残りの5分って俺? ええっと、あ、オタクっぽい二人組いた! カップルが一組いた! ええっと。。。あと全部子連れ?
 今年の文化庁メディア芸術祭大賞に2500%選ばれること確定なので、みんな恵比寿に行ってタダ見するといいよ。