仁義なき清掃

 休みをとって、存分にNEET気分を満喫していたのだけど、あまりにもごちゃごちゃの自分の部屋に我慢ができなくなってきた。ちょっとした機器の裏だとかが、どこの腐界だよといわんばかりに埃が積もっていたりする。
 掃除だっ! 今の世界には掃除が必要だっ! と、雑巾絞って目に付く埃をとにかく拭っていくのだけど、そんなチャチい掃除では、なんというか――部屋のエントロピーが変わらないっ! 駄目だ駄目だ、これでは駄目だ。
 そこで、公認会計士の勉強をしていたころのテキスト・その他をどかんと一気に捨てることにした。数える気にもならないが、数十冊はあるのだ。しかも分厚い。会計部署で働く以上、使うときが来るかもと思ってはや二年。一度も触っていない。これを捨てればかなりデカイ。
 床にとにかく下ろして、下ろして、下ろして、サイズごとに分類して、下ろして、下ろして、……なんと4時間もかかった! 学習机(小学一年生からずっとの付き合い)の本棚の6割を占拠していたテキスト類は、重さにすれば20kgを軽く超えていた。測りはしなかったけど、30kgといわれても信じるよ。信じる心だよ。
 30kgが床から約1.5メートルに位置していたわけで、ええと、位置エネルギーにしてどれくらいだ。たくさんだ。とにかく、机にあった圧迫感はきれいさっぱりなくなった。
 幾分すっきりした部屋を見渡して、職場から辞めていった人たちを少し思い出してセンチメンタル。

 そして埃を大量に吸い込んだ俺の身体は絶賛鼻水放出中。もう8時間は鼻水が止まらないよ。