「日出処の天子」 山岸涼子

 名作と名高いが、読んだことがなかった。
 厩戸の王子と蘇我毛子を中心に、政治だ女だ男色だと、それはそれはドロドロとした展開が繰り広げられる。毎度毎度思うのだけど、なんで少女漫画はこう泥沼が大好きなのだ?
「ねー、なんで娯楽作品でわざわざ修羅場るの、そんなの疲れない?」
「少年漫画だって、わざわざ血を流したり痛いことしてるじゃんか」
「それもそうか」
「そうだよ」
「でもさ、なんで少女漫画ってこう毎回毎回ホモが出てくるの?」
「少年漫画だって、どの漫画にもかめはめ波が出てくるじゃん」
「それもそうか」
 きっと少女たちは泥沼を通して女の魂のようなものを学んでいくのだ。少年がドラゴンボールを読んで男の生き方を学んでいくように。(何か、男が女に勝てないわけが判ったような気がする)
 この漫画なのだが、厩戸の王子が出生の秘密とかまるでないのにスーパー超人なのが宜しい。まあ、どこもかしこも泥沼展開でしたが、みんなそれぞれ好きな人がいて羨ましいですね。