北斎展

 いい加減土日に布団と2ちゃんねるだけで発酵しているのも飽きたので、意識的に外出してみた。上野は国立博物館北斎展である。
 北斎は神!
 勝手な僕のイメージだが、北斎は日本人にもっとも愛されている画家のひとりだろう。狩野派なんざ足元にも及ばない。恐らく北斎の愛され度に四つできるのはゴッホぐらいだ。今日の北斎展、開場直後に行ったのに既に人が邪魔で落ち着いて鑑賞ができなかったくらいだ。15時ごろには満員御礼、開場の外には40分の長蛇の列ができていた。そんな北斎、僕も大好きである。
 北斎の何がいいのか! 僕はデフォルメが好きだ。筆運びのラフさと力強さに対する、細かい描き込みの対比が好きだ。キッチリ決まった構図が好きだ。
 北斎は90歳まで絵を描き続けて生きたそうだけど、どうせなら明治の開国後の近代化も風俗絵として残して欲しかったし、現代日本だって絵にして欲しい。今、彼が富岳三十六景を描いたらどう料理するだろうか? 場所は? 構図は? 画材は?
 帰りに平常展も見て回った。埴輪やら銅鏡やらを見ていて、なんとなく帰国前の見収めに大英博物館で日本美術コーナーを回ったことを思い出した。人っ子一人いなかった。まあ、そんなもんなだろなと思う。僕は仏像より埴輪のトボケた顔つきの方が好きなんだけど。