雪の女王 第一話

 さあ始まりました、NHKの日曜食事時アニメ第三弾、「雪の女王」!
 雪の女王といえば、少年を助けに少女があれやこれやと冒険にでかける話なのです。少女が主役なのです。少女です、少女。もうポワロとかヘイスティングとか野郎はいないのです。まったくNHKはさあ、もう、まったく! だから雪の女王なのかよ! そういうわけでゲルダに食い入るよーに見入るのがNHKの薦めるこのアニメの楽しみ方なのです。間違いありません。エンディングが小田和正なのでお母様も安心です。まったくNHKは言い訳を作るのが上手だなあ。僕感心しちゃうよ、まったく。
 しかし、監督はあの出崎統なのです。うかうかしているとゲルダもクロスカウンターを三回パンでブチ当てたあと、真っ白に燃え尽きかねません。ゲルダが浜辺でゴールして、カイが木枯らしの中を旅に出て行きかねません。第一話からして透過光やら止め絵やらニヒル笑いやら出崎統演出がサクレツし続けているのです。シーンのつなぎ方が妙にぎこちないところも出崎統です。
 今回は「あー厚服の少女は可愛いなあチクショウ!」と「あー出崎統のアニメだなあチクショウ!」が互角といったところですが、次回からはますますもって、NHKの少女趣味と出崎統の血みどろ根性がぶつかり合った、熱く、苦しく、そして媚びまくった内容になるのでしょう。必見。
 本音を言えば、この時間帯以外のアニメをわざわざ見る気がわかねーってだけですが……まぁそこはそれ。火の鳥やメイベルではあった○○紀行がないのは少し残念でした。北欧の生活とかの小話を見たかった。