昨日と今日のヘッドホン

エリッククラプトンのファンは恐ろしいことに関して

 最近、ヘッドホン関連のことしか書いてないな。まあいいや。
 弦楽器が得意なヘッドホンらしいので、じゃあギターの神様でも聞いてみっかと、エリッククラプトンのライブ盤「UNPLAGGED」をかけてみた。姉がエリックファンの友人から「お前もファンになれや」と押し付けられたまま本棚にしまわれてホコリをかぶっているという、曰くつきの一品である。姉も姉だが、いきなりライブ盤を渡す友人も友人だ。
 だいたい、このライブ盤は一曲目から観客が熱気ムンムンなのだ。エリックさんが弦に触れるだけで絶叫の渦なのだ。
「ミョン」「ウワァアアアアアアアアアア(絶叫)ピューピューピューッ(口笛)」
「ミョミョン」「ウワァアアアアアアアア(絶叫)パチパチパチパチパチ(拍手)」
 だいたいこんな感じで、初聴きの人との温度差はすさまじいものがある。渋谷を歩いていてふと感じる孤独感をアンプに繋げてボリューム最大にしたような、周囲との断絶を感じられる。思えば場違いなところに来てしまったもんだ、みたいな。自分の場所探しを考え始めてしまったりとか。「ギターの神様」とか呼ばれるのも伊達ではなかったということだ。
 でもさ、クラプトンって「洋梨」のくらむぼんを思い出すよ。プカプカ笑うのかよってさ。
 演奏自体は良かったので、今度ライブ盤でないCDとか借りたいところ。

アニメをヘッドホンで聞くことに関して

 せっかく音が聞き取りやすいヘッドホンを持っているのだから、聞き取りにくい台詞を聞き取るべきである。英語のヒアリングにでも使えばいいのだが、今のところ英語を学習せねばならない逼迫した状況でもない。ここは自分の好きなものでも見ればいいだろう。
 そういうわけで、とにかく森本レオのボソボソ喋りが聞き取れないアニメ映画「王立宇宙軍」を観ることにした。

「いいことなのか、悪いことなのか、わからない。でも多くの人間がそうであるように、俺もまた、自分の生まれた国で育った。そして、ごく普通の中流家庭に生まれつくことができた。だから貴族の不幸も貧乏人の苦労も知らない。別に、知りたいとも思わない。子供のころは水軍のパイロットになりたかった。ジェットに乗るには水軍に入るしかないからだ。速く、高く、空を飛ぶことは何よりも素晴らしく、美しい。でも、学校を卒業する2ヶ月前に、そんなものにはなれないってことを成績表が教えてくれた。だから、宇宙軍に入ったんだ。」

 すげえ、「っ」の部分まで聞き取れる! ビバ・K501!
 と、いうところでやめればよかったのだが、好きなアニメ映画を観始めたら気がつけば2時間観てしまうのは当然である。うわー、このヘッドホンだと低音弱すぎてロケットの打ち上げが全然迫力ねえー。ゲームとか映画には使えないな、このヘッドホン。
 王立宇宙軍という映画を僕が好きなのは、オタクの無力感みたいなものに僕が感情移入をスッとできるからかもしれない。別に僕が何かやっても何も変わらないし、何かやれているのは僕の力じゃねえや、みたいな。その中で前向きに精一杯にやることができたから、この映画が好きだ。まぁ、そういうストーリー的なことを言えばもっと良い映画は腐るほどあるのだろうけれど。