誤算

 出かける用事があったので、電車の中で読む本が欲しかった。そこで、つい最近出た戯言シリーズの最新刊、西尾維新ネコソギラジカル(上)」を買うことにした。
 二巻目はツボ一直線だが、三巻目がまるで肌に合わない。四上下巻が微妙、五巻はわりといける。外伝は、論外。内容は全くのオタク向けで、それもかなり駄目なオタク向け。23歳が読むようなものでもないと自分でも思うけれど、しかし10代でこんなの読んで喜んでる少年がいるというのもちょっと想像したくない現実かもしれない。そんなシリーズなのだけれども、ここまで買ったなら最後までつきあうし、今巻の上中下でシリーズも終結とのこと。それならさっさと読み終えて二度とこの作者の本は読まない……そんな計画をたてて駅前の本屋に立ち寄る。と、驚いたことに売り切れだった。
 何時の間にそんな人気が出たんだ?
 ガックリしながら電車に乗って、まあいろいろと用事をすませて、帰りの本屋で無事に入手。帰りの電車の中、だいたい35分くらいで70P読み進めた。いやーさすがはライトノベル、さくさく読めますよ。こんなのばっか読んでたら脳みそスポンジになっちゃうぜ。やっぱ電車のなかの暇つぶしはライトノベルに尽きる!娯楽最高!文学なんてくそくらえだぜ!
 これでしばらく外出時に楽しめそうだな、と駅から家への足取りも軽い。
 家についたのが22時頃。温めたカレーを電子レンジにかけたご飯にかける。食べながらなんとなく続きを読む。
 22時半ごろ、カレーを食い終わったので、ヨーグルトを食べ始める。母から電話がかかってきたので、もうしつかった用事などを済ます。ヨーグルトを口に運びながらなんとなく続きを読む。
 23時ごろ、父から電話がかかってきたが、すでに用件は済んでいたのでさっさと切る。なんとなく続きを読む。
 24時ごろ、姉から電話がかかってきたので、てきとうに受け答えて受話器を置く。なんとなく続きを読む。
 24時50分ごろ、なんとなく読み終わる。
 読み終わってんじゃねえよ。25時じゃねえかよ。25時!そんな時間存在しねえよ!論文書けよ!


 肝心の感想ですが、駄目っぷりにかかった磨きが気になって本筋が進んだことがどうでも良くなる内容でした。具体的に内容を語ると、この日記を知っている友人や知人などにヒかれること必至なので、伏せようと思います。いやー駄目だこの作者。次巻も買おう。
 主人公がこっぴどく罵られるのが好きだったので、最近の前向きさは少し残念です。キリ良く完結するには、前向きにならないと話が締まらないんだろうけど。