12月の青葉と今年最後の授業たち

 早大は案外紅葉スポットである。イチョウ並木がトレードマークだし、意識してみればモミジもあちらこちらに植えられている。大隈庭園のあたりは観光名所かと思うくらい意識した樹木配置がなされている。無意味に灯篭がすえつけられていたり、岩が置かれていたり、苔をはりつかせてみたり、なんか京都コンプレックスでもあるのだろうかと疑いたくなる。
 だけど、今年の紅葉はどこかおかしかった。秋になると踏み砕かれた銀杏がキャンパスに悪臭を放つはずだったのに、今年は落ちてくるタイミングもバラバラで、たいした臭いを出すこともなくいつの間にか冬が来ている。イチョウは黄色真っ盛りのものもあれば、既に葉を完全に散らせたものもある。モミジはもっと酷い。葉を散らしたものがあれば、その隣では青と赤が混じっていたりするのだ。12月の中旬にモミジが緑色?ありえない。今年の季節はほんとに狂っていたのだなと思う。
 大学で最後に見る木々がバラバラなのは、なぜか心に寂しい。明後日からは冬休み、僕が早大で授業を受けられるのは、残りあと二週――