潜入・研究書庫

 なんか忘れてると思ったら日記を書いていない。さっさと寝たいので短めに行こう。推敲もなしだ。
 先日、百円玉を持っていなかったばっかりに入り損ねた地下二階研究書庫に行ってまいりました。早稲田に居て五年間、初めて入る図書館の地下。地下といえば秘密基地なのですが、さて待ち受けているものは一体……?
 研究書庫の蔵書は全学のかけがえのない財産であるらしく(言い回しが世界遺産に似ている)、ロッカーに荷物を入れさせるのは悪意・善意の窃盗を防ぐためのようだ。「本が入るサイズの袋を持ってくんなアホ」という但し書きがわざわざ書いてある。ならばコートもアウトなのではないかと思うが、そこらへんは利便性との天秤なのだろう。どんどん便利になっていく社会との対比とかをテーマにエッセイでもかけないかしら、とか思いつつ荷物を預けて受付に進む。
 受付ではバッヂが貸しつけられる。学部生用、院生用、教員用のようだ。他にもあったかもしれない。バッヂというが、つまり名札のようなものといった方が正しい。これを胸につけて、私は学部生です、下っ端でございます、と閲覧するのが書庫の作法であるようだ。スカートのプリーツは乱してもよし。ところでプリーツってなんだろう?
 研究書庫は地下一階と地下二階に分かれている。目的地は二階であるが、どうせなので一階の書庫も覗いていく。蛍光灯は赤と緑のものがあり、中で迷わないようになっている。そんなに迷うほど広い空間でもないと思うのだが、稀少本の重圧だろうか、方向感覚を失うのもわかる気がする。むしろ赤と緑の光のせいでおかしくなっている気もする。マッドサイエンティストの秘密研究所といった雰囲気を漂わす光なのだ。経済の棚に労働基準法違反に関する裁判沙汰の記録とかがあって、この十数冊全部それかよと思うと気持ちが悪くなってくるのだ。
 地下二階も色分けされている。手早く目的の本二冊を見つけ、書庫を出て閲覧スペースに行く。地下は面積的には半分が書庫、半分が閲覧スペースといった按配だ。なぜそんなに閲覧に場所をとるのか?それは個室だからである。……個室!すばらしい、昼寝放題じゃないか。一応中を覗けるようになっているので、顔をぐぐいと近づけてみると、なんと電源まであるじゃないですか。天国ですかここは。全くなんで今までこんな素晴らしいところを知らなかったんだ、とノブを握ってみると、ガチャガチャと鍵がかかっている。あれー、受付で借りるのかなーと廊下を見渡してみると、個室の使用法を書いた貼り紙があった。『院生と教員専用』。
 うすべったいスポンジのソファの共用スペースでふんぞり返りながら本を読んだ。寝不足だったので気がついたら寝てた。うぁー、だる……。
 まとめ。天井が低いのか稀少さなのか、気分の滅入るところです。体調管理をして向かいましょう。手塚修の絶版本とか読んでる人がいたので、彼のファンにはオススメ。


 文章を短くするのは脳みそを使う。また短くまとめる訓練のやりなおしか。焼け石に水って感じ。
 今思い出した。赤と緑のダブルパンチって「非日常」「死」を喚起する補色の組み合わせだって習った気がするぜ。燃える森って感じの。風とともに去りぬ。ぬ。そりゃ気分悪くするよ。わざとか?故意か?なぜ?