実録!これが駄目人間だ

 結構前に「どんな子がタイプか」話はうまくノれなくて困るなあという話を書いたけれど、同様に「どんな音楽がタイプか」という話もうまくノれなくて困ることを発見した。
 千年幻想郷がすきなんだけど、あれは原曲のサビが強すぎてアレンジしても幅が出ないし無理に崩すと変になるし、なんというか扱いにくいところがハートに響きますよねえ、とか言い出す人がいたら正直言ってわけがわからない。ネクロファンタジアなんか、とくにアレンジが似た感じばっかりで食傷気味ですよね。つーかExtraクリアしてないんで聴くたびに俺は関係ないでございって気分になるんですが。まあそれいったら紅魔郷やってないからオーエンとかどうなのって言われると弱いんだけど。
 こーいうのは外すと痛い。ジャブのつもりがダイナマイトに機関銃だったりする。ニコニコなどで半端に知名度があるせいで一部通じてしまうことが逆にまずい。
 いったい酒の席――新人歓迎会というのは、どうやって何を話せばいいのだろう。図書館においてあるようなメジャーな洋楽を一通り耳を通してはいるけれど、別に何かの強烈なファンというわけではない。B'zやミスチルの話題で盛り上がっていたようだけど、正直B'zをB'zと認識して聞いたことはない。コンビニで飽きるほどかかってたあれとかがB'zだったらしいよ、へえー、という無関心具合だ。X-FILEのEDはぜんぜんあってなかったね、みたいな。ミスチルのほうは友人に薦められたときに歌詞の善人加減に拒否反応が出てしまって、正直苦手だ。うわー、歌詞がいいとか言い出しちゃったよこのひと、っていうか場の流れが「うんうん」ってマジかよ……。お前ら全員みつをファンかよ……大人すぎるよ! どんだけ懐深いんだよって話ですよ。たったアルバム一枚で『ミスチルごときでムカッとしてしまう自分に鬱』入ったから、ほかのアルバム知らないし、それで反論するのもなー。つーか歌詞の中身とか覚えてねーし。つーかもう話題流れてるしなー。つーか別に後輩がどんな音楽好きかとか、この後輩がどんな人間であるかとかマジ興味ねーわ俺。めんどくさいから帰って寝たいなあ。いやいやいや。死んだほうがいいな俺。
 そういうわけで、とりあえず正面の先輩とは、太宰と芥川について話をしたりするのだ。太宰って構ってちゃんですよねーわはははー、でも人間失格は計算された構ってちゃんだろわははは、いやあれは天然ですよーわははは。みんな芥川を見習って自殺すればいいのに。マジ歯車見えるようになるって。
 困ったら太宰というのは誰にも通用するから便利だ。
 だけど実際のところ、誰にでも通用するわけではないというのが弱点だ。
 結局、酒の場というのは、酒を飲みたいやつか、話をしたいやつか、何か目的があるものだけがいるべきなのだ。人数あわせでいるだけの半端者でしかない僕は、いつも飲み会でたそがれることとなる。うーん、今回もさそわれるがままにやってきてしまったけれど、相変わらず何をすりゃいいのか、何もすることがない場だなあ、と。
 結局、ただ在るだけでことが動くのは古事記のなかだけだ。ぼくはいつまでこんなクラゲでいいのだろうか? まあ、別にいいんだけど、、、いいのか?