[本]人類は衰退しました 2〜3

 1巻のほのぼの路線を踏襲しつつ、内容は濃くなっていっている。いい傾向だ。
 2巻はSF。田中ロミオお得意のループもの殺法が炸裂する前半は、オチが脱力ものですばらしい。後半はアルジャーノンの逆パターン。のほほんとしていた主人公もついに死の危険と隣り合わせのデンジャラスゾーンに接近。オコジョ様がカッコよすぎる。ここまで凶悪なオコジョはライトノベル初出ではないだろうか?
 3巻もSF寄り。妖精の去った土地で、古代文明廃墟に飲み込まれた主人公たちがさらにデンジャラスゾーンに肉薄。こんどは渇水だ! それにしてもネコ耳型ロボを作った昔の人はサドい。わざわざ感情を作っておくあたりがサドすぎる。今年度サドキング文句なし一位だ(名前も姿も登場しないけど)。主人公がみんなからの恨みを買って鬱々としながら終わるという、いやあ田中ロミオらしくなってきたじゃない、みたいな3巻でした。