ノッ

 口癖はうつるものだ。
 高校時代、友達に「ノッ、○○じゃないか」という言葉を使う人がいた。彼は現在はあんまり「ノッ」と口に出すことはないようだけど、しかし高校時代は口であれ筆であれ、ことあるごとに「ノッ」と言ったり書いたりしていたような気がする。僕はこの「ノッ」という言葉が大好きだ。
 こんな風に使う。
 「ノッ、ヤマダじゃないか」(意図せぬ人物に出会った意外感を演出)
 「ノッ、Javaじゃないか」(sqlファイルを検索していたつもりだったのに、Javaファイルを検索していた。道理で見つからないはずだよ、だってJavaじゃないか。)
 「ノッ」には「軽いオドロキ」と「軽いオドロキを言語化して冷静な自分を取り戻そうとする働き」と「逆にマヌケになってしまうおかしさ」が同居していて、もはや「ノッ」以外では表現できない域に達している。元ネタが何かはしらないが、よく外人が使う「ノップ」を略したものではないかと思っている。それとも本場発音では p は発音されないのだろうか。
 たまに口をついて「ノッ」といってしまうことがある……そんなときは、「ノッ、懐かしい言葉を使ってしまった」と心の中で思ったりするのだ。
 それはそうとして、仕事が終わらない。