さらに任天堂について

 久々に同期のK君と晩飯を食べたのだが、話題がエロゲやらハルヒやらになった。
「きみきす買ったんだ」
「? つよきす?なんか最近アニメ化されたやつ?」
「いや、違う違う」
「知らないな、いや、名前くらいは聞いたことあるかも」
「ケニヤも落ちたもんだ」
 落ちたとか言われてもなあ。
 運ばれてきた『肉みそそば』があまり美味しくないのに、僕は憤慨していた。同期のK君が頼んだスープ餃子を分けてもらったのだが、そちらはかなり美味しかった。やはり変なものを注文してはいけない。気分を変えるために、僕は話題の方向を変えてみた。話の流れに掉さしたわけだ。
「まあエロゲもアニメもあまりチェックしてないんだが、ゲームはどうだよ。Wiiとか。」
「うぃー?」
任天堂の」
「ああ、Wii。つまらないことに結構売れそうだよね、あれ」 
「つまらないことに?」
「俺、任天堂きらい」
「どのあたりが?」
「なんかいい子ぶってるあたりが」
 彼は運ばれてきた中華丼をかきこみながらそう言った。
 考えてみれば、僕も任天堂のそういうところはあまり好きじゃあない。なんか……ディズニー臭がするのだ。いつのまにかマリオがミッキーごとくアメリカンな表情変化をするようになっている。奴はもともと、敵キノコを踏み殺し、亀を脅かしては甲羅ごと谷底へ蹴りおとし、仇敵となれば溶岩に容赦なく突き落とす極悪非道の男。マリオもミッキーも、やつらの面の皮はよく動くが、それが逆にうさんくさい。
京都人は信用ならねーってことだな
「だな」
 こうして、僕の京都コンプレックスがまた深まった。