再び走り書き

 そういえば、「私は美しいと思いました」と直接的に書くのではなく、「ビロードのつややかな黒の毛並みの猫だった」と書くことで、間接的に読み手に「ああ、美しいな」と思わせる手法を習っていた気がする。物語のクライマックスにこそ、登場人物の心情を直接描かずに状況だけを一気に書ききって、読み手に感情移入をさせてしまうという必殺ワザだ。
 これを使えば語彙の問題はスルリと裏道、回避可能なのかもしれない。
 と、そんなことをこのまえの日記を書いたあとに布団の中で思った。