人生とは何ぞや

 池袋のジュンク堂で本を買うことにして、少し早めに残業を切り上げて帰途に着いた。ジュンク堂にいるぜとメールを送ったら、同じく帰り道だったK氏が快く顔を見せにきてくれたので、どうせならということでふたりで飯を食う。固定資産の登録の承認に関する本を探していたのだが、さすがにニッチすぎて見つからなかった。
 池袋も23時近く、残るは気ままな酔いどれ学生が目に付く。地下道につづく階段では、女の子ふたりがふらついた足取りで仲良く階段を下りていた。お互いの腰に手を当ててバランスをとったり、ふりまわす手が非常にのほほんとしていて、これで顔がかわいくて童顔系で元気系のキャラなら脳天ストライクの光景だった。
 そこで、僕は彼女らの顔を見なかったことにして、歳もあともう一声若かったことにして、「うーむ今日はいいものを見たなあ」ということにしてみた。まさか女子中学生がこんな夜中にちょっとほろ酔い加減で友達とじゃれあっているとはっ! いけませんいけません、いけませんよー。
 これが人生の楽しみ方の一つ、勝手に妄想術である。
 しかしこういうことばっかりやってるから、僕の過去思い出話は他人と食い違うことが多いのだとも思った。
 それと今書いてて思ったけど、14歳は絶対無理。いくら妄想でも補正効かない範囲はあった。