ブックフェアと文具フェア

 ビックサイトで催された業界人向けの展示会です。友達が無料招待券をゲットしてきたので、なんとなく着いていってみることに。昨日のできごとです。

ブックフェア

 まず最初に行ったのはブックフェア。
 ブックフェアというと、なんだかレアな本がショーケースに並んでいるんじゃねーだろかとか想像してしまいますが、それは少し違う。このフェアはあくまで出版業界に関わっている人向けであって、マニアのためのものではないのだ。
 じゃあどんなものが展示されているか?といえば、Adobeの「Wordファイルを原稿用紙に流し込むツール」が宣伝されていたりする。これは編集者用のものであって、僕らとは全く接点の存在しないツールだ。
 ただ、各出版社のブースでは本が2割引で買えたし、出版業界の内部をのぞき見れるのは素人なりに面白いところもあった。
 また、装丁展示などもあった。最近の本のなかで、特に装丁が優れていたとされるものを展示していたりするのだ。これは中をめくることもできて、かなり楽しむことが出来た。でもまぁ、こんなのは別にここでやらなくても大型書店とかでやればいい気もする。


 ブックフェアの翌日、池袋のジュンク堂に行った。目的の本を買った後、店内をぶらついてみると、あれも読みたいこれも読みたいと思わされる。本の装丁というものは魔物だ。たちの悪いことに今の僕は給料をもらっている身分なので、読みたいと思えば買ってしまうことだってできるのだ。
 しかし、本を買えばあとで待っているのは整理整頓である。はっきり言って僕の部屋にハードカバーなど置けるスペースは存在しないのだ。計画的な購入が必要とされる。いや待てよ、これが電子書籍ならどうだろうか。電子書籍なら場所をとらない。これなら僕も本を買い漁れる……
 いや、電子書籍には装丁がない。衝動買いが起きない。
 ゆるやかに本もデジタル化への道を辿るだろうけど、それはまだまだ未来の話なのだろうと、青い空を睨みながら思った。コーヒーの沁みがついたページという言い回しは当分の間なくならずにすみそうだ。
 

文具フェア

 昼ごはんを食べて、文具フェアに移る。
 僕は文具好きだ。引き出しには数十本のボールペンが眠っているし、定規も消しゴムもシャープペンシルも芯も雑多なものが整理もされずに積み重なっている。なにか新しいインクペンが出ると、とにかく試し書きをしたくてウズウズしてしまうのだ。
 そんな僕だから、この文具フェアは非常に楽しかった。卸や商店の人を対象に文具メーカーが自社製品の宣伝を行っている形式だったから、エンドユーザーの僕にとってとっつきやすいことこのうえなかった。ボールペンはグリグリ書き放題だったし、ブースの人には解説を聞き放題だった。普段はとくに意識されないメーカーごとの特色などもなんとなく感じることができた。TONBOWが環境問題に熱心だったことも、ブースに言ってみてそういや昔から「木物語」とか出してたよな、と気がつかされたことのひとつだ。
 気に入る製品もあった。CARLというメーカーの出している、トリムギアという製品だ。これはいわゆる裁断機なのだけど、刃がギア(円)になっているのが特徴だ。刃の車輪がついたユニットを紙の上にすーっと走らせるだけで毛羽立ちゼロのなめらかな切り口が誕生する。この滑らすときの感触がたまらないものがあるし、下までユニットを持ってくると自動的に上に戻っていくようになっている。この「すっ」「がちゃん」「すっ」「がちゃん」のオレは仕事をしているぞ感はまさに機能的快楽の小宇宙だった。CARLのサイトにリンクを貼りたいくらいだけど、なぜかディスクギアの紹介がない。前世代までのものしか置いていない。なぜだっ!
 と言った感じに、実にエキサイトなフェアでした。