劇場版機動戦士Zガンダム‐星を継ぐ者‐

 すこやかなカミーユ
 遅まきながら、昨日のレイトショーでみてきました。二次元オタクをやっているとガンダムはもはや教養というか一般常識のような気がしてきますが、もちろん世間大多数の人はシャアとかシャア専用ザクのことしか知らないわけです。そんなことを久しぶりに思い出しました。
 さておき。
 新作画と旧作画が切り貼りで使われているというのは聞いていたのだけど、これは意外と気にならなかった。たぶん、事前の心構えができていたせいだと思う。
 新作画は、やはりMS戦の圧倒的なスピード感がすばらしい。なめらかな格闘戦、鋭角を描く重力下の空中機動戦など見ごたえに溢れている。アッシマーのカメラアイが散弾を受けて鈍く輝くあたり、MSのキャラクターを遺憾なく表現できている。感激!
 ただし、新作画が描く人物は表情が妙に硬い。腹になんか隠してるんじゃないかと疑いたくなる硬さがある。旧作画の表情が柔らかいから、そのせいで気になってしまう。後半に登場するブランやロザミアはほぼ新作画のみの登場となるので、あまり気にならなかった。まあ、戦闘中の敵の表情は硬いくらいがちょうどいいのかもしれない。なんにせよ、ロボットを描く作画はこれだけ進化したのに、人物を描く技術はあまり進歩していないというのはちょっと寂しい。しょんぼり。
 展開は非常にスピーディだ。あんまりサクサク進むので、カミーユも悩む時間すらない。気がつけば90分はあっと言う間に終わってしまっている。Zガンダムというストーリーはそもそも対立構造からして複雑なものを抱えているのだが、あまり深く考えずに見られるように構成されている。見ていて「ティターンズってこんなに腐ってたっけ?」と頭をひねりたくなるほどにストレートだ。簡単!
 ガンダムオタクにオススメ。ガンダムがわりと好きな人にもオススメ。でもまあ、同じ金払うならスターウォーズとか見たほうがいいんでないかと思わなくもない。そこをガンダムに使ってしまう人がやっぱりターゲットなのでしょうか。