西日本旅行記2005初春 その1 七日目(最終日)

七日目(最終日) 2005年3月24日 大阪→東京

  • カラオケ :苦手ー。

 えー、最終日ですが。実のところ既に忘却しかけております。そりゃねー。家に帰って、もう何日も経ってるしねー。ねっころがってフンガフンガとマスク越しに口呼吸して、参考書で謎の単語と取っ組みあってりゃ忘れますよねー。
 大阪は既に2日目に1人で体験してますからね。食い倒れも1人でやってるし。いまいちインパクトが薄くもあります。
 早朝、バスで大阪に到着。今日大阪に泊まる人たちに僕のぶんの荷物も宿に置いてもらい、なんば・道頓堀方面に地下鉄で移動。一日フリーパス(850円)購入。大阪に来た友人となんばで合流し、朝食(サブウェイ)をとる。大阪城に向かうことに。
 大阪城大阪城って秀吉が建てたもんはとーぜん完全に破壊されていて、その上に徳川さんの作った城がデデンと建っておりまして、今建ってるのは鉄筋なわけで、歴史的な価値はそのあたりどーなの? といったものである。いやまあそりゃ価値はあるんだろーけど、ロマンの問題ですね。城の中身は秀吉の生涯を追うゼ追うゼオメーラついてこいヤ展示といった様相で、これまた風情ゼロ。僕はむしろ豊臣秀吉アンチであって、彼にまつわる話は無意識的に避けてきたりもしている。真田十勇士って一体何なのかを大阪城内部でやっと認識したぐらいの日本史オンチの日本史常識欠落者でもあるのだ。だから大阪城内部の秀吉ヨイショ展示は、新鮮だったりもしたけれど、サルがキーキー出世するのがそんな面白いかね、とも思ったりする。それなりに面白いのは認めるけど、大阪といったら、やっぱり大阪城は主役になれるタマじゃないのだ。
 大阪城を昼前に出て、たしかまたなんば方面に出たはず。昼飯に「お好み焼きと白いご飯」というあまりにも大阪らしいものをとって、北上。心斎橋あたりに付いた頃、何故か話が「食いきれないくらいのアイスを食おう」という話になった。ネットでわりと評判になっているなんとかいう喫茶店は大阪にあるというのだ。僕はそれほど美味しくもないアイスで腹を膨らまして深夜バスで苦しむつもりなんてこれっぽっちもなかったけれど、話の流れとしてそういうことになってしまった。ネット検索で「コロンビア」という名前であることがわかって、タウンページで住所調べて、地図で探して、一旦別れて荷物取りに行ったり預けに行ったり、雨が降ったり、風が吹いたり、見つからないから電話したり、電話したり、そして午後3時半についにその喫茶店を発見したのだ。そして全員が集合したのが午後3時50分で、やっと喫茶店の前に全員揃ったのが午後3時55分ぐらいだったかもしれない。喫茶店の営業は午後4時までで、すでに店は閉められていたのだった。
 そのあと、またなんばに戻って色々と食べた。

  • アツアツのカスタードシュー(カスタードが入りすぎで口が開いているせいで食べにくかった)
  • 二度焼きのたこ焼き(アツアツ甘しょうゆが染み出てアツ美味しかった)
  • ダークチェリーのクレープ(これは真剣にかなり美味かった 350円)
  • ちゃぷちゃぷたこ焼き(汁に漬かっている。二度焼きとちょっと傾向が似てる)

 ここらへんで「腹を減らすためにカラオケに行こう」と言い出す人がいて、ノリノリで歌いたがっている人たちがいたので、僕は全然歌いたくないし聞きたくなかったのだけど、あーだこーだ交渉するのがめんどくさかったのでカラオケに入ってしまうことにした。
 カラオケってのは「喉が渇く」「うるさくて頭が痛くなる」「歌えない自分を見せ付けられる」という三重苦でして、入って30分で僕はリタイヤしてトイレに逃げ込みました。するとトイレの中でもJ-POPがむしろ音量をさらに上げて流れていました。トイレの中にJPOP! 理解できませんが、これが現代というものなのですか。ここはコンクリート・ジャングル・オーサカ。ベトミンのトラップがミーをキルしようとレディしているよ。結局、屋上に出て大阪の夜景を見下ろしていました。換気の配管とかをベコベコと足蹴にしつつ、ドンキホーテの観覧車などをまんじりと眺めておりました。屋上は寒かったです。身体も心も。びゅうびゅうとした風が吹いておりました。
 まー世の中みんなふつーにカラオケつーものをエンジョイしてるわけですけれども僕はやっぱり駄目です駄目でしたそういえば前も追いコンの3次会がカラオケで僕は耐えられなくて途中で金を幹事さんに押し付けて新宿放浪に出かけちゃったよ電車なかったから一晩中歩いたナーそんなにカラオケ嫌いかなー嫌いだなーでも今日はなんとかなるかなー今日こそはもしかして楽しめちゃったりするかなーこれで僕もイッパシの一般人かなーとかピーマン嫌いを克服しようとする少年みたいに幼い勇気で挑んじゃったけどやっぱり駄目でしたこれかも駄目でしょうというか僕が駄目でしょう駄目なんだから僕は駄目です外で寝てますというか屋上で寝てるから気にせず歌ってきてようへへへと最初から言っておけばいいんじゃん僕の駄目人間めそんな10秒程度の言葉が言えないかよそれで雰囲気がちょっとビミョーになって肩が凝るのがいやですかそんな些細なことがイヤですかそれなら僕が普段だからやってる空気読まない行動はなんですかこの駄目人間駄目人間駄目人間あーこの屋上から飛び降りたらどーなるかなー飛び降りないけどねへへへつーか関係者以外立ち入り禁止くらいの掲示はやっておかないと後々責任とれませんよカラオケ屋の店長さん気をつけようね気をつけないと僕みたいな駄目人間がこうやって黄昏に来ちゃいますよたそがれせいべいー
 といったところでそろそろカラオケの時間も終わってくれて、やあ長いトイレだった! とカラオケノリノリ人種達(+歌う気ゼロなので長椅子で睡眠を摂るツワモノ1人)と合流して、そして晩飯を食うことになった。僕は自己嫌悪でノックダウンで、基本的にみんなの後をついていくだけでした。1時間ほど歩いたのか、僕の帰りの深夜バスの時間があやしくなってきたので、適当なところで決めてもらうことに。そばとおでんを出す居酒屋に決定。
 30分後、おでんが切れているというので店を出る。
 ラーメンをすする。大学入学前に行った韓国旅行の脈絡のないメモを見て、笑って、やっと塞ぎこんでいた気分も晴れた。遅い、遅いよ俺。しかも過去の思い出にすがって現実から立ち直るってすげえ不健康だよ。
 深夜バス集合所に行って駄弁る。
 バスの運ちゃんに集合写真を撮ってもらって、またちょっと駄弁って、お別れ。寝たり起きたり浅い睡眠を重ねて、朝6時に東京到着。
 なんというか、大阪の思い出は自己嫌悪でした。ちーん。
 ちくしょお、なんじゃそりゃあ!