書くことないならアニメの話

 ふしぎの海のナディアをようやっと全話見終えた。
 22話まででだいたいの世界設定や人物相関関係が明かされてしまうと、もうこのアニメはやることがなくなってしまったのだろうか。無人島編という本筋と無関係の時間稼ぎ編が34話まで続く。そして35話から本筋に戻り、39話で終わる。つまりナディアというアニメは、実質27話なのかもしれない。
 しかし終わってみれば、後半本筋よりも脇道の無人島編の方が面白かった。前半本筋で風呂敷はある程度たたまれてしまっており、後半は単に話をまとめるだけで物語としては単純でご都合で正直言って見れたものではない。ラスボスが底の浅い悪人というのは盛り上がりに欠けるも甚だしい。飛び交うレーザー、広がる爆発、紫電をまとうバリア、そういった動画だけしか楽しめない。
 ナディアで一番楽しいのは、15話の「ノーチラス最大の危機」から22話の「裏切りのエレクトラ」まで。ここは潜水艦クルー達の陰が強調されていて、ドラマとして楽しめる。「いやだあッ死にたくないッ俺にはまだやりたいことがあるんだあッ」とか、胸にくる。「エレクトラ、君がいたからだ!」も。ノーチラス編なので水中戦闘も満喫できる。15話からはほどよい苦戦続きで非常によろしい。やはり苦戦しなけりゃ駄目です。毎回苦戦しろ!
 そうか、ガンダムが楽しいのはホワイトベースがいつも極限状態にあるからか。今気づいた。
 次に楽しいのは、無人島編。これはネタとして楽しい。全編メタネタで尽くされていて、やっぱりオタクはメタが好きだよな!そうだよな!とひとりうなずくのだ。
 ナレーションに揶揄されるヒロインとか、野生化するヒロインとか、ナディアがいじられていじられていじられ続ける。作画動画脚本全てが目も当てられないほどボロボロの回がある。もちろんワザとだ。10分くらいの尺が夢オチという回もある。最初から最後まで編集アニメの回もある。
 もうここまで来ると、スマトラ島沖地震との兼ね合いで一話丸々蔵入りになったという31話も、もともと存在しなかったのではないかと思えてくる。本筋に関わりそうになったので、回ごと省略されたのではないか。そう、もともと31話はブランクになっていて、30話の次は32話になっているのだ!32話の冒頭の妙に長いあらすじも確信犯ですよ。
 と、そんな無人島編である。オタクしか喜ばない、オタクしか喜べない。NHKは一体何を考えているのでしょうか? 楽しいからいいや。ノーチラスの水中戦闘はトップで見れるけど、無人島編はナディアでしか見られません。
 ナディアも見終わったし、トップを狙え!2でも借りてこようかな。