気分はちょっと谷

 今日もなんということもない一日を過ごす。「今日もおじいさんと遊んだ。楽しかった。」で済ませたくなるような、何もない一日だった。
 何もないので、2月からどうしようかと思いを馳せてみた。大学が終わって、社会人になるまでの自由時間。たとえば、アルバイトでもして、稼いだお金で海外旅行に行く。よくある手だ。付き合ってくれそうな友達がちょっと思いつかないので、1人で行けばいいかもしれない。京都旅行で鴨川ばかりに入り浸った僕は、きっとイタリアとかに言っても人造物には3日で飽きるだろう。自然系がいい。でもハードなのはいやだ。じゃあオーストラリアが暖かくていいのかもしれない。エアーズロックなんて無視して、日差しの荒野で一日中空だけ見て寝転がるのだ。
 しかし、別に外国なんぞ行かなくても、僕が知らないことなんてのはそこらじゅうに転がっているのだ。学問的な知識は知らないし、ろくなアルバイトの経験はつんでないし、体験していないスポーツなんてカバディどころか数えただけで易々と10の指を越える。
 僕はなんも知らないけれど、全てを知ることなんてもともとできなくて、それで、焦りと諦めがあって、何もしないでいる。このままつまらない人間のまま、社会に出て、きっと仕事場の愚痴をここに書きたくて書けなくてイライラとした毎日を送って。それでも、何もしないのが僕で、何もしてこなかったのが僕だ。
 みんなが忙しそうにしているように見える。ひとり、空を見上げれば、雲さえが忙しなく動いている。大地さえが恐ろしい速度で自転している。焦りと諦めがあって、それで、今日もなんということもない一日を過ごす。
 こういう日はよくない。書くことがポエムになって、読み返してバカバカしいし、確かに生産性もない。こりゃ便所のラクガキ以下だ。