買うべきものと買いたいもの


 昨日今日と気持ちいい晴れが続きます。このように逆光で葉脈が透けるほどにいい天気です。こんな日が続くうちに、とっとと買い物に行くべきなのです、僕は。
 ここが実名検索で発見された今だからこそ書いてしまうのですが、僕はこの23年間の人生、服、とくに服飾というものにまったくの無頓着で過ごしてきました。具体的に言えば、
「カットソーって何?」
「ブルゾン?二流菓子会社ですか?」
「っていうかカーディガンとセーターの区別がわからん」
といった状態です。エスキモーは氷を表す言葉を十数と持っているそうですが、僕が持っている服の言葉は十の指で事足ります。服について他人と語らったり文章に起こしたりする経験が皆無なのです。だから頭の中で「襟のついてる服、ついてない服」「厚い服、薄い服」といった形容ですましてきた。
 しかしこれではいかんですよ。もう大学も出ちゃうし、そしたら土曜日曜しか私服も着れませんよ。平日、自分で選んだ服を着て馬場をぶらつくなんてのはあと2、3ヶ月しかないのですよ。それまでにブルゾンって何なのよくらい知っておいてもいいじゃない。ユニクロと無印とジーンズメイトだけではそういうの覚えられないじゃないの。

 そう思って、ママチャリをこいで川口ダイヤモンドシティキャラへ行ってきました次第です(ファッション誌でも買えよという考えを頭から振り払って)。ここなら安めのブランドが揃ってるから、さほどのお金もいらんでしょう。やあ店員さん、「当店のジャケットはこのようにテーラードのものとブルゾンのものがございますが・・・」だからブルゾンってなんだー!襟がないということなのか?そうなのか?というかなんでジャケットが1万4000円するんだー!アホー!DSでも買えばいいじゃないのよ!
 陸に上がった魚、北極に迷い込んだインド人、エジプトに旅するエスキモーの気持ちで、ため息をつきながら店を出てきました。いや、きちんと買い物はしましたよ。
 
 ほら、自転車カゴに犬。
 
 いやぁ、犬はラブリーだ。犬サイコー。ジャケットなんかいらねぇー。

 そろそろ冷気が身にしみてきました。あなたは防寒着、用意しましたか。