史上最大の作戦。

 原題は「The Longest Day」。白黒。文芸座で見た。
 ノルマンディ上陸作戦の一日を、全体的に眺めるスター総出演映画(だったらしい)。
 ノルマンディ映画といえばプライベート・ライアンなのですが、この映画はだいぶ参考にされたんだろうなと思う。オマハ・ビーチの死屍累々具合がそっくりなのだが、しかしこれは誰が監督しても死屍累々以外の描写がないのかもしれない。
 プライベート・ライアンがひとつの隊に焦点をしぼって物語を運んだのと対照的に、こちらはありとあらゆるところに視点が飛ぶ。はぐれた兵士、市内の兵士、行軍する兵士、上層部、アメリカ、ドイツ、イギリス、フランス。話としてはとりとめがなく、テーマを絞った短編の寄せ集めのようでもある。教会の尖塔にぶさ下がったまま味方が全滅していくのを眺めるしかない落下傘兵士。死んだドイツ兵をいつまでも見つめることしかできず、動けない負傷した兵士が、ドイツ兵のゴム靴が左右逆であることに気づく話。こういうのは、なんか好きだな。
 エンディング・テーマは勇ましく・痛ましくて大変宜しい。