1942 アメリカ大陸発見 2005 ねこのうんこ発見
『ぼくはもう書いただろうか? ぼくは見ることを学んでいると。そうだ、ぼくは見ることをはじめたのだ。いまはまだ拙い。だが、時間をありたけ使いたいと考えている。 「マルテの手記」より』
リルケが書くとさすがにカッコいいが、発見というのはなかなか意味深である。たとえば、ねこのうんこだ。
道を歩けば、たまにいぬのうんこがある。いぬのうんこである。わりと固めだったり、妙に艶かしかったりする、あのいぬのうんこである。あれを見るたびに飼い主の責任について生きる権利についてnintendogsはうんこ出さないからいいなぁについて考えさせられたりするけれど。
しかし、昨日、洋式トイレにまたがっている最中に私は気づいてしまったのだ。稲妻に打たれたかのように。
「僕がいままでいぬのうんこだと思っていたものは、ねこのうんこだったかもしれない。」
こういった考えが、突如雷鳴のごとく僕の頭のなかに轟いたのだ。そうだ、そうなのだ、別に路上にうんこをするのはいぬだけではないのだ。比較的ちいさなものなのであろうけど、今までいぬだいぬだと思っていたうんこのうち、いくつかはねこのうんこだった可能性があるのだ。
僕の認識する世界に今までねこのうんこは存在しなかったのだけど、昨日の午前11時ごろを境に、ついにねこのうんこが世界に誕生したのだ。存在を許されたのだ。これはもしかして世界的な大事件なのではないか?
そう思って、トイレから帰ってきて、隣の研修生に話を振ってみた。
「ねこのうんこと世界存在について考えてみた」
「ふーん」
彼はもうすこしアグレッシブな反応をかえすべきだと思います。